食料品や日用品を売り買いする何百ものボートが水上を行き来する、カントー市のカイラン水上マーケット。見慣れたその風景に最近ちょっとした変化があり、観光客を驚かせている。水上に突如現れたのは、ビビッドなピンク色のボート。ピンク色なのはボートだけでなく、タオルやプラスチック製のバスケット、調理用鍋の蓋まで、ボートに乗せられているアイテムのほとんどがピンク色で揃えられている。さらにボートを走らせるオーナーも鮮やかなピンクのシャツと帽子を身につけている徹底ぶり。
このユニークなボートのオーナーは、水上でブンを販売するゴー・バオ・クオックさん、グエン・ティ・ゴック・リンさん夫妻。夫妻はカイラン水上マーケットで長年商売を行ってきた。「パンデミックが収束し観光客が再び戻ってきた時に、訪れる人たちをさらに楽しませることができれば、という想いでボートをピンク色に塗り直すことを思い立った」とリンさんは話す。
きっかけは、自分たちが毎日少しでも楽しく仕事できるよう、何か違うこと、新しいことをしたいというシンプルな思いつきだったが、ボートをピンク色にし、夫妻でピンクのシャツを着て商売をするようになってから、ソーシャルメディアなどを介して有名になり、以前の2、3倍の客が訪れるようになったと言う。「以前は1日あたり50杯程度しか売れなかったが、今では平日でも100杯以上、週末や休日には200〜300杯売れるようになった。そのおかげで生活も楽になった」と笑顔で話す。
▶ベトナム時事ネタ帳記事は、毎週更新中!その他記事は、こちらから