トレンドの移り変わりが早いホーチミン市で今、旬の飲み物といえば「手絞りレモンティー(Món trà chanh giã tay)」。SNSに登場する頻度からもその人気ぶりは明らかだ。ホーチミン市内では手絞りレモンティーをドリンクメニューに加える店も急増している。
手絞りレモンティーは、実は中国で人気のお茶のひとつである。中国でブランド化されている海南省産の香水レモンを使用し、レモン本来の味を十分に抽出するために、麺棒のような道具を使用してレモンを叩き潰してレモンティーを作ったのが始まりだという。作り方はとても簡単。材料は新鮮なレモン、紅茶、氷、砂糖だけ。カップに氷とレモンを入れ、麺棒または大きなすりこぎ棒などでレモンを潰しながらかき混ぜる。次にお茶を注ぎ、最後に砂糖と蜂蜜を加えれば完成。作りたてをすぐに飲むのが流儀で、作り置きはおすすめできない。
ホーチミン市の中心部には手絞りレモンティーの専門店も登場した。バリエーションを生み出すために、グアバ、ピーチ、タピオカパールなども加えられている。店主は「レモンの風味をより多く引き出し、おいしいお茶を作るために、洗浄後のレモンの皮を薄くスライスしています。薄くスライスしたレモンを電子秤で正確に計り、氷を入れて手で何度も強く叩きます」とコツを教えてくれた。ドリンクの価格は2万5000〜5万VND程度。激しく叩く必要があるため、作る過程にエンターテイメント性があるのも人気の理由ではないだろうか。
