自然を楽しむカフェと聞いて、どんなカフェを思い浮かべるだろうか。ここ最近、田畑の真ん中や水上でコーヒーを飲むことができる珍しい絶景カフェが人気を集めている。
アンザン省のトリトン地区には、水田の真ん中にぽつりと立つ小屋のような「癒しの家」と呼ばれる小さなカフェスペースがある。この水田では乾季と雨季でまったく異なる景色がみられる。稲が青々と育つ時期は一年で最も美しい季節で、この時期には飲食店の母屋と癒しの家を結ぶ全長50m程の遊歩道が水田の上に架けられる。大きな空と広大な緑に囲まれながら日の出と日の入りを眺めることができるこの場所は、長時間にわたり仕事に汗を流した地元の人々を癒してきたことから、癒しの家と呼ばれるようになった。雨季になると一転、緑に囲まれたこのエリアは水の下に隠れ、遊歩道も冠水して渡ることができなくなる。この時期には客はボートに乗って癒しの家へ行き、水上に浮かぶプライベート空間で寛ぐことができる。近くにはラフティングやカヌーを楽しめる場所もあるそうだ。
カントー市には広さ2000㎡を超える敷地にある4つの稲田の中心に位置するカフェが人気を集めている。派手な装飾は一切なく、その素朴さが、安らぎと新鮮味、親しみやすさをもたらし、多くの人に愛されている。これらのカフェが注目されるのは、人々が仕事のストレスや生活の悩みから解放され癒される場所を求めること、また他にはないユニークな場所にいるという感覚が味わえることにあるようだ。
