ソンラー省バックイエン町にあるタースア山(Tà Xùa)は「雲の楽園」の別名でも知られる、手付かずの自然が残る幻想的な場所。雄大な山々を望む、まるで異世界に迷い込んだかのような美しい景色を求め、近年ではこの地を訪れる観光客の数も増加している。
タースアの一番の魅力はなんといっても「雲の楽園」の名にふさわしい、眼下一面に広がる雲海に包まれる幻想的な景色。タースアで最も美しい雲海が見られる季節は毎年9月頃から翌年の3月上旬までとのこと。雲海が見られる場所に向かうまでのトレッキングルートも魅力の一つ。途中には「恐竜の背」と呼ばれる絶景スポットもあり、観光客を飽きさせない。海抜1500~1800mの高地に位置しているため、一年を通じて涼しく散策もしやすい。
またタ―スアの山頂には、独自の文化と樹齢数百年のシャントゥエット茶の樹を守るモン族の人々の村があり、彼らの生活、文化、歴史を知ることもできる。この地を訪れる人はみな広大で美しい自然と穏やかで素朴な人々に恋をする。
近年観光客の数が増加したことにより、観光客向けのホームステイ施設やカフェも少しずつ増えてきた。タースアの人気が高まった背景には、都会の喧騒を忘れてリラックスし、心身ともに浄化されることを目的としたヒーリング・ツーリズムに対するニーズの高まりがあるようだ。今後も益々多くの観光客を魅了していくであろうが、神聖なまでに美しい山々の風景、新鮮な空気、のどかな環境は失われないことを願う。
